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ツイードってどんな生地?特徴は?3大ツイードとは

   

服地や布地でツイードという言葉を聞いたことがある方は多いかと思いますが、ツイードが具体的にどのような生地なのかは分からない、という方もいらっしゃるでしょう。

このページではツイードとはどんな生地か、ツイードの種類、シャネルツイードはどの種類に属するかなどについてご紹介します。

ツイードとは

ツイードは「紡毛(ぼうもう)織物」の1つで、短い羊毛を折って作られる織物です。

紡毛は羊から刈り取った毛を伸ばしたり揃えたりせず、そのまま紡いでいく方法です。
繊維が短いため、使い羊毛のの量が多く、生地に厚みがあり保温性が高いのが特徴です。

基本的にツイードは紡毛糸で織られますが、梳毛(そもう)と呼ばれる均一な長さの羊毛を選り分けて伸ばし、一方向に揃えて紡ぐ糸で織られることもあります。

ツイードの種類

ツイードには主に3大ツイードと呼ばれる「ハリスツイード」「ドネガルツイード」「シェットランドツイード」の3種類があります。

ハリスツイード

ハリスツイードは、スコットランドの北西に位置するアウター・ヘブリディーズ諸島発祥のツイード生地です。

100年以上前に発祥した生地で、当時は漁に出る男性たちのために女性たちが自宅で原始的な方法でゆっくりと織り上げた生地が起源です。

その後、ハリス島の領主、ダンモア伯爵の未亡人ダンモア夫人が感銘を受け、この生地を島の主要産業に使用と周囲の富裕層に宣伝をしたり、生産環境を整える活動を行い、イギリス本土に広がり、やがて世界中に人気が広がりました。

ハリスツイードの定義はハリスツイード協会で以下のように定められています。

①ハリス島、ルイス島、ウィスト島、バラ島と、その周辺のアウター・ヘブリディーズ諸島の島で生産されたもの
②ピュア・ヴァージンウールのみを原料とし、染色、紡績、織り上げまですべての工程を各島内で行っている
③島の織り手の自宅で、すべて人力で手織りしている

ハリスツイードには、「オーブ&マルチーズ・クロス」というタグが付いており、これがトレードマークとなっています。

ドネガルツイード

ドネガルツイードはアイルランドのドニゴールで製作されるツイードで、ブラックフェイスという山岳羊種の毛を使用しているツイード生地のことです。

ドネガルツイードの名前はドネガル川の水を使用していることから来ていると言われています。
ドネガル川の水は軟水で、この水を製織後の生地の仕上げに使うことで、ハリのかるしっかりとした硬めの風合いに仕上げることができます。

ドネガルツイードの特徴は緯糸にカラーネップと呼ばれる色のついた節のある糸を使用している点です。
ネップが不規則に現れることでデザインのアクセントとなり、フォーマル過ぎないややカジュアル感のある服に仕上がります。

農家が手織りで織る素朴な風合いを特徴としており、ハリスツイードに比べて柔らかい生地です。

ドネガルツイードの代表的なブランドには1866年にドニゴールで創業した「マギー(MAGEE)」があります。

マギーのツイードは白や黄色のネップ(斑点)があるのが特徴です。
生地はネイビーやグレー、グリーン、オレンジなどのアイルランドの自然を想起させる色合いの生地が特徴です。

シェットランドツイード

シェットランドツイードはシェットランド北方のシェットランド諸島で生産された羊毛で作られるツイード生地です。

シェットランド羊毛はツイードの中で最も柔らかく、スポンジのようなアルパカに似たふっくらとした風合いで肌に優しい点が特徴です。

そのため、シェットランドツイードは軽くて柔らかいという特色を持っています。

ファンシーツイードとは

ファンシーツイードは、モール糸やラメ糸、輪奈のついたループ糸、テープ状の糸など、意匠糸で織られた装飾的なツイードです。

さまざまな個性のある糸が組み合わさり、独特な仕上がりになります。
糸の組み合わせにより生地の表情も変わり、高級感を生み出す音ができるため、ハイブランドでも積極的に取り入れられています。

ファンシーツイードの代表的なものに「シャネルツイード」があります。

シャネルツイードはスコットランド人のウィリアム・リントンが開発し、リントン社のファンシーツイードは現在でもシャネルのスーツなどに使用され、世界的にも高い人気を得ています。

ツイード生地の特徴

独特の手触り

ツイードに使う糸は太さにばらつきがあるため、凹凸のある仕上がりになります。

生地の柔らかさは糸により異なりますが、通常、しっかりとした丈夫な糸が使用されることが多くあります。

そのため、ざらざらとした独特な手触りがあります。

丈夫で長持ちする

ツイードは太めの糸を使用することが多いため、比較的丈夫で破れにくい生地です。

耐久性があるため、ハンティングなどアウトドアで活用されてきました。
大切に手入れをすれば何年も使用することが可能です。

保温性に優れており温かい

ツイード生地が生まれたのは英国や北欧などの冬の気候が厳しい地域です。

毛足の短いウールが使用されたツイード生地は、厚みがあり糸が毛羽立っておりムラもあります。
繊維と繊維の間に空気が入り込みやすく、温かい空気を留めやすくなります。

個性豊かな柄を表現できる

ツイードは使用する糸の組み合わせによりさまざまな柄の生地を作ることができます。

ファンシーツイードは、色糸やラメ糸を使用し、個性豊かな美しい布地に仕上げられています。

生地の組織も平織や綾織りだけでなく、ヘリボーンなどパターンが多くあり、組み合わせにより表情は無限に広がります。

ツイードはカジュアルかつ上品な印象の生地

ツイードはかつては英国紳士が愛用していた生地でした。

個性的な柄と風合いは高級感がありながらもカジュアルな印象を持ち、ファンシーツイードは高級ブランドにも採用され、世界中の人々を魅了しています。

生地屋さんでも秋冬を中心にツイード生地が出回りますので、ぜひツイードでハンドメイドにも挑戦してみてください。

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